2023.02.10
やるべきことができないのは甘え?うつ?先延ばし癖がひどい人の解決法
やるべきことができないで、いつの間にか後回しにしてる事はありませんか?この経験、誰しも一度はあるでしょう。ただ、頻繁に起こるなら「先延ばし癖」がついています。 「やるべきことができない」「先延ばし癖がひどい」方へ原因と対処法を解説していきます。
やるべきことができない「先延ばし癖」とは
先延ばし癖とは、その名の通り「やるべきことを先延ばしにしてしまい、それが癖づいてしまっている」状態です。
例えば、仕事を期限ギリギリまでやらなかったりと、やらなければいけないことを後回しにしてしまいます。
誰しも一度は経験してしまう事ですが、これが癖になってしまうと「仕事でのトラブル」や「日常生活のトラブル」が多くなってしまいます。
「やるべきことができない!」と先延ばし癖に頭を悩ませている人もいると思います。
トラブルが多い方は、改善した方がいいかもしれません。
ただ、必ずしも「先延ばし」が悪いというわけではありません。
先延ばしには、メリットもありますので、先延ばしの効果もご紹介したいと思います。
やるべきことができない「先延ばし癖」がある人の特徴
やるべきことができない「先延ばし癖」がある人は、自分がした判断や行動が、「自分にどのような影響を及ぼすか?」を理解する力が弱いと言われています。
この自分の状況が見えづらくなることは、ストレスから自分を守ろうとする「防衛本能」からきています。
それでは、やるべきことができない「先延ばし癖」がひどい人の特徴を3つご紹介します。
ぜひ、自分に当てはめて考えてみて下さい。
恐怖心が強い
やるべきことができない「先延ばし癖」がひどい人の特徴1つ目は、「恐怖心が強い人」です。
恐怖心が強い人は、失敗を異常に恐れる傾向があり、仕事で何か任されると「失敗したらどうしよう」と恐怖心が芽生えます。
また、過去に同じような失敗をしている場合は、さらに恐怖心が芽生えます。
この恐怖心が強いと「後にしてしまおう」と先延ばしをしてしまい、先延ばし癖がついてしまうのです。
完璧主義の人
やるべきことができない「先延ばし癖」がひどい人の特徴2つ目は「完璧主義の人」です。
完璧主義の人は、下準備に時間がかかり、本題に入れず「先延ばし」をしてしまいます。
どんなことも自分が思った通り、完璧にこなそうとするので「これじゃいけない」「もっとこうしないと」となかなか本題に入れません。
そうこうしているうちに「まあ、後でやるか」と後回しをしてしまい、先延ばし癖がついてしまいます。
楽観的すぎる
やるべきことができない「先延ばし癖」がひどい人の特徴3つ目は「楽観的すぎる人」です。
楽観的過ぎる人は、逆に先延ばしをした後に「自分にどのような影響があるか」を考えません。
先のことを深く考えていないので、「後でいいや」と後回しにして、先延ばし癖がついてしまいます。
先延ばし癖がひどい人の原因は?
やるべきことができない「先延ばし癖」がひどい人は、どんな原因があるのでしょうか?
先延ばし癖を治すには、まず原因をしっかりと理解する必要があります。
原因を知らないと、改善することができるはずもなく、「やるべきことができない!」と自己嫌悪を抱いてしまいます。
それでは、「先延ばし癖がひどい人の原因」を4つ見ていきましょう!
何から手を付けたらいいかいかわからない
先延ばし癖がひどい人の原因、1つ目は「何から手を付けたらいいかわからない」ことです。
仕事のタスクでよくあるのが、
「あれもこれもやらないといけない」
「仕事が膨大でどれから手を付けたらいいかわからない」
といったことがあります。
この思考になると、「終わらないからいいや」と後回しにしてしまいます。
タスクが終わらないけど、次々仕事がくる。
こうなると、自分の頭が整理できなくなりますね。
これが続くことで「先延ばし癖」がひどくなってしまうのです。
自信がない
先延ばし癖がひどい人の原因2つ目は「自信がない」ことです。
先延ばし癖をする人の特徴として、「恐怖心が強い人」と紹介しましたが、恐怖心から自信がなくなります。
「失敗したらどうしよう」と周りや上司の評価が気になり、仕事が手につかないパターンです。
自信がないので、失敗することが怖く、結果的に後回しにして「先延ばし癖」がひどい状態になってしまいます。
興味がない
先延ばし癖がひどい人の原因3つ目は「興味がない」ことです。
興味がないことをできるだけやりたくないのは、皆そうですよね。
でも、仕事をしていると「興味がないからやらない」というわけにもいきません。
ビジネスマンであれば、「なんて勝手なやつだ」と思われることでしょう。
周りの評価も落ち、さらに先延ばし癖がついてしまう。
やるべきことをやらない人は、仕事で迷惑を掛けますし、自分自身の悩みの種になります。
興味がないことが、先延ばし癖がひどくなる原因になることも理解しておきましょう。
発達障害の可能性
先延ばし癖がひどい人の原因の4つ目は「発達障害の可能性がある」ことです。
「やるべきことができない」
「なんでも先延ばしにしてしまう」
「気が散って全然進まない」
といったことが起きている場合、発達障害の可能性があります。
発達障害には種類がありますが、当てはまるものとして「ADHD」があります。
ADHDとは、「注意欠陥多動性障害」といいます。
発達障害と聞くと、病気というイメージがありますが、「生まれつき脳の働き方に違いがある」という特性です。
ADHDの特徴は、多動性や衝動性、不注意などがあります。
症状としては、
- 忘れ物が多い
- ケアレスミスが多い
- 衝動買いをしてしまう
- 集中ができない
- 順序立てて仕事をすることが苦手
などがあります。
ADHDの症状の「順序立てて仕事をすることが苦手」や「集中ができない」といったことが、先延ばし癖がひどい原因になることがあります。
やるべきことができないは甘え?
先延ばし癖がついてしまい、やるべきことができないのは甘えなのでしょうか?
結論は「甘えではありません!」
正確には、やるべきことができないのは甘えと「考えてはいけない」と言った方がいいでしょう。
なぜなら、やるべきことができないと自己嫌悪に陥ってしまうことがあるからです。
「なんでも後回しにしてしまう自分はダメな人間だ」「先延ばし癖がある自分は成功できない」などと考えなくていいことを考えてしまいます。
この状態が続くと、「やらなきゃ」と思うほど鬱状態に陥り、自分を責めてしまいます。
やるべきことができないと、自己嫌悪に陥ってしまう気持ちもわかりますが、先延ばし癖を治す方法はあります。
正しいやり方を身に着けて、先延ばし癖を治しましょう。
先延ばし癖の解決法
先延ばし癖を治す方法は、4つのステップがあり、それぞれ段階を踏むことが大切です。
ただ、その前に大切なのが「先延ばしをして成果が変わるかどうか?」です。
先延ばしをしても結果が変わらないものであれば、先延ばしをしても構わない。
先延ばしをして成果が変わるのなら、すぐにやったほうがいいでしょう。
先延ばしをしてはいけないものから優先的に取り掛かることが必要です。
5分や10分など短時間で終わるものなら、さっさとやってしまったほうがいいですよね。
では、具体的に先延ばし癖を治す方法を4つのステップで紹介していきます。
①自分が先延ばしをしていることに気づく
先延ばし癖を治すためには、まず「自分が先延ばしをしていることに気づく」ことが重要です。
実は、意外と自分が先延ばしをしていることに、気づいていない人が多いのです。
「今、自分が何を先延ばしにしていると思いますか?」
と聞かれると、「んー、えーっと」という風に考えてしまうことが多いのです。
まずは「自分がなにを先延ばしにしているのか?」「やるべきことができないのはどのタスクか?」を知りましょう!
そして、そのことを紙やスマホに記録しておく。
ここから、次のステップへと移ります。
②先延ばししようとしているタイミングに気づく
先延ばし癖を治すための次のステップは、「先延ばしをしようとしているタイミングに気づく」ことです。
「今自分は先延ばしをしようとしているな」や「どういう状況の時に先延ばしをしようとしているか?」に気づくことが重要です。
例えばデスクワークをしていて、「あとはメールを送るだけ」の状況の時に、一旦違う事をして仕事を遅らせてしまった場合。
この時に、「あ、今自分は先延ばしをしようとした」と気づけるようにしましょう!
また、この時には「先延ばしをしたくなった理由」をメモしておくことです。
③先延ばしのデメリットを認識する
先延ばし癖を治すためには、「先延ばしのデメリットを認識する」ことが大切です。
今やらないとどういうことが起こるか?
自分や周りにとってどんな影響を及ぼすかを認識しましょう!
また、今やる理由を考える必要があります。
逆に今やれば「どんな良いことがあるだろう」と考えて下さい。
人間は、どうしても「今やる理由」がないと動けないようになっています。
先延ばしのデメリットを認識し、今やるメリットを考えて「やる理由」を意識しましょう!
④作業を細かいステップに分ける
先延ばし癖を治すためには「作業を細かいステップに分ける」ことが効果的です。
任された仕事を細かく細分化し、単純にしていくことが大切です。
「締め切りがギリギリになるまで手を付けない」
「やらなきゃいけないのに後回しにしてしまう」
なぜ、これが起こるのかというと、人間は自分がやらなきゃいけないことを「大きく見積もってしまう」からです。
自分がやらなきゃと思う事は、大変でハードルが高く見えてしまう。
これが「先延ばしの原因」になります。
大変な仕事だなと思っていても、いざ手を付けてみたら「意外と終わった」って経験はありませんか?
最初に取り掛かるステップが大きく感じるから先延ばししたくなる。
だから、細かい作業に分けていくのです。
例)パソコンを起動する→エクセルを開く→ここだけの範囲をデータ入力する
などと一つ一つを簡単にしていくことです。
また、チェックリストを作ることもおすすめです。
チェックリストを作ると、やるべきことが明確で上から順番にこなしていくだけになります。
このように細かいステップに分け、簡単にしていくことで先延ばし癖を治すことができます。
先延ばし癖のメリット
散々先延ばしをすると損をするということを解説していきました。
ただし、すべてにおいて先延ばしがいけないというわけではありません。
実は「先延ばしにはメリット」があります。
特にクリエイティブな職業についている人には、先延ばしを効果的に使うことで「成果を上げる」ことがあります。
それでは、先延ばしのメリットを3つ見ていきましょう!
①簡単な方法を見つけようとする
先延ばしのメリット1つ目は「簡単な方法を見つけようとする」です。
先延ばし癖がひどい人は、どうにかして自分のタスクを簡単にできないかな?と考えます。
つまり、簡単にしようと「解決策を見出そうとする」のです。
これが、新たなアイデアへとつながります。
また、IQが高い人は怠け者で、先延ばしをしやすい傾向にあります。
マイクロソフト創業者のビルゲイツ氏は、「私は怠惰な人を選んで仕事をしています。怠け者は簡単な方法を見つけるからです」と語っています。
このように、先延ばしはデメリットだけでなく、メリットもあるのです。
②創造性が高い
先延ばしのメリット2つ目は「創造性が高い」ことです。
実際に、先延ばしをした人は「創造性が高くなった」という実験結果が出ています。
数々の名著を出しているアメリカの心理学者、アダムグラント氏が行った実験です。
実験は「ビジネスのアイデアを捻出してもらう」というものです。
1つ目のグループには「すぐにアイデアを出してくれ」と言い、
2つ目のグループには「ゲームで遊んでからアイデアを出してくれ」と言いました。
両グループが出したアイデアを比較した結果、ゲームで遊んでからアイデアを出したグループは「創造性が28%勝っていた」というものです。
「すぐにアイデアを出してくれ」と言われたグループは、創造性に優れたものではなかったのです。
反対に「ゲームをして先延ばし」をしたグループは、先延ばしが創造性にいい影響を与えたことがわかったのです。
③ギリギリになることで集中力が高まる
先延ばしのメリット3つ目は「ギリギリになると集中力が高まる」という事です。
「試験の前日」「締め切りが迫っている仕事」これらの作業をする時、集中力と生産性は他の通常の日より10倍も増加します。
ギリギリになることで、アドレナリンが出て集中力、生産性が高まるのでしょう。
そして、このギリギリになることで集中力が高まることを利用して、通常の日にも応用することができれば、すばらしい成果を上げることができるのです。
まとめ
先延ばしはいけないことだと言われています。
実際に先延ばし癖がひどいと、「やるべきことをやらない人だ」と仕事での印象が悪くなってしまいます。
でも、やるべきことができないと自己嫌悪に陥らないでください。
自分を責めすぎて、「やらなきゃと思うほどできない鬱状態」になると、手遅れになってしまいます。
先延ばしをしてはいけない基準として、
- 失敗しつつあるのか?締め切りに間に合わなくなりつつあるのか?
- 焦りすぎて自分の仕事に支障が出ているのか?
- 先延ばしをした場合、誰かにしわ寄せがくるのか?
- その問題に注力した時、自分の人生が改善されるのか?
この4点を判断基準にして、先延ばしをしてもいいこと、悪いことを考えてみて下さい。
先延ばしにはメリットがあり、いい方向に活用することができれば、あなたは仕事ですばらしい成果を出すことができるでしょう。
大阪生まれ。20代後半。ハウスメーカーで働くもうつ病を発症。その後、発達障害(自閉症スペクトラム障害)が発覚。休養中に沢山の本を読んで培った知識で、人の役に立つ情報を発信していきます。3児の父で、将棋とサッカーが得意。