2023.02.13
筋トレ前には動的ストレッチがおすすめ!メニューや注意点も紹介
筋トレ前にストレッチや準備運動をしない人も多いでしょう。しかし、ストレッチをしないで筋トレを行うと怪我やパフォーマンス低下につながるため、準備運動は必須です。今回は筋トレ前のおすすめストレッチや注意点などを解説します。
目次
ストレッチには「動的」と「静的」の2種類ある
ストレッチは大きく次の2種類にわかれます。
- 動的ストレッチ
- 静的ストレッチ
ストレッチの種類により目的や効果が異なります。
ストレッチごとの特徴をおさえて筋トレ前や普段の生活に取り入れれば、怪我をしにくい体を作れるでしょう。
動的ストレッチと静的ストレッチの効果や目的を解説します。
筋トレ前には動的ストレッチ
「筋トレ前に準備運動っていらない?」と悩んでいる人は多いでしょう。
結論、動的ストレッチは、筋トレ前にすることがおすすめです。
動的ストレッチとは、体を大きく動かして筋肉を刺激し、柔軟性の確保やパフォーマンスを発揮させるために行われる準備運動です。
そのため、陸上や水泳などの競技スポーツには、必ずといっていいほど動的ストレッチが取り入れられています。
これは、筋トレも例外ではありません。
筋トレ前に動的ストレッチを取り入れることで、関節の怪我予防やパフォーマンスを発揮できるなどの効果が期待できます。
動的ストレッチの種類はさまざまですが、有名なのは「ラジオ体操」でしょう。
ラジオ体操は一見、地味な運動に見えますが、真剣に取り組めば怪我の防止やパフォーマンスの向上効果が期待できます。
とくに運動初心者の人は、筋トレ前に動的ストレッチを取り入れて、体を慣らすのが大切です。
筋トレ後には静的ストレッチ
静的ストレッチとは、反動を利用せずに筋肉をゆっくり伸ばして、体のクールダウンや柔軟性を継続的に高めるために行われます。
また、静的ストレッチには副交感神経を優位にさせる働きもあるため、心身をリラックスさせる効果も期待できます。
このように見ると魅力的なストレッチですが、筋トレ前に取り入れるのはNGです。
筋トレ前の静的ストレッチは、1時間ほどにわたり筋力を5%ほど低下するといわれているからです。
普段ベンチプレスを100kg上げる人でたとえると、静的ストレッチを行なった後の1時間は、ベンチプレスが95kgしか上がらないことになります。
パフォーマンスが下がった状態で普段と同じ筋トレメニューをこなせば、怪我にもつながります。
つまり、筋トレ前の静的ストレッチは逆効果です。
そのため、静的ストレッチは筋トレ後に行いましょう。
筋トレ前に動的ストレッチを行う2つのメリット
筋トレ前に動的ストレッチを行うメリットは、次の2つです。
- 怪我の防止になる
- 筋トレのパフォーマンスが上がる
筋トレ前に動的ストレッチを行うだけで上記のメリットを得られるため、準備運動は積極的に取り入れましょう。
怪我の防止になる
動的ストレッチには、筋肉を、温めてほぐす効果があります。
柔軟性が高まり可動域が広がるため、怪我の防止につながります。
腕立てで肩を痛める人であれば、肩関節の動的ストレッチを取り入れることで、痛みの予防が可能です。
また、スクワットで膝を痛めやすい人は、下半身の動的ストレッチを取り入れると怪我の予防につながります。
ポイントは、普段行う筋トレメニューに適した動的ストレッチを入れることです。
たとえば、上半身のみ鍛えている人が下半身の動的ストレッチを取り入れても、恩恵は少ないです。
そのため、後ほど解説する動的ストレッチのメニューを、普段の筋トレに合わせて取り入れましょう。
筋トレのパフォーマンスを高められる
前提として、ストレッチ不足により柔軟性が削がれて固まった筋肉は、骨や関節を引っ張ります。
筋肉が骨や関節の動きを制御すると、筋トレのパフォーマンス低下につながります。
しかし、動的ストレッチを取り入れて固まった筋肉をほぐすことで、体の動きが滑らかになり本来のパフォーマンスを発揮しやすくなります。
また、筋トレのパフォーマンスをより高めたい人は、「本番と同じ種目の準備運動を行う」のがおすすめです。
たとえば、筋トレで腕立てを行う場合、次の流れで準備運動するとパフォーマンスを高めやすくなります。
- 胸や肩周りの動的ストレッチ
- 膝をついた腕立て(準備運動)
- 腕立て(本番)
上記の流れでは、動的ストレッチで柔軟性を高めてから、本番の動き同様の準備運動を取り入れています。
柔軟性を確保しつつ、腕立で使う筋肉を温められるため、パフォーマンスの向上効果が期待できるのです。
初心者にもおすすめの筋トレ前のストレッチメニュー8選
初心者にもおすすめの筋トレ前のストレッチメニューを、次の8つ紹介します。
- 胸・肩の動的ストレッチ
- 腕まわし
- 猫のポーズ
- オルタネイトリバースランジリーチ
- ダウンドッグ
- マエケン体操
- リバースランジレント
- ショルダープレス
動的ストレッチごとにターゲットとする場所が異なれば、効果も違います。
筋トレのメニューに応じたストレッチを取り入れて、怪我の防止やパフォーマンス向上につなげましょう。
1.胸・肩の動的ストレッチ
胸・肩の動的ストレッチは、腕立てを行う前に取り入れたい種目です。
胸と肩の柔軟性を高められるため、腕立ての回数が増えたり、より負荷の高い腕立てに挑戦できたりするかもしれません。
やり方は次のとおりです。
- 足を肩幅ほど開いて直立する
- 両手を向かい合わせて腕を真っ直ぐ伸ばす
- 肩甲骨を寄せるイメージで両手が肩の真横にくるまで開く
- 両手を上下45度に動かす
- 4を30秒行う
- 終了
ポイントは、肩甲骨を寄せるイメージで両手を開くことです。
腕立ては肩甲骨も可動するため、ポイントを意識することで本番さながらの動きを行えて、パフォーマンス向上につながります。
2.腕まわし
腕まわしは、肩をメインとした動的ストレッチです。
腕立てや肩を鍛える前に取り入れましょう。
やり方は次のとおりです。
- 腕を外側から内側にかけて大きく回す
- 1を20回繰り返す
- 腕を反対側に大きく回す
- 3を20回繰り返す
- 終了
ポイントは、「いかに大きく腕を回すか」です。
腕を大きく回せば肩関節が温まり柔軟性を確保できるため、怪我の予防につながります。
なお筆者は、ベンチプレスでよく肩を痛めていましたが、筋トレ前に腕まわしを取り入れてからは、肩を痛めていません。
動的ストレッチを短時間で終わらせたい人は、1kgのダンベルや500mlの水が入ったペットボトルを手に持って腕まわしを行なってもいいでしょう。
ただし、重りを使った腕まわしは強度が高く怪我のリスクもあるため、ゆっくりした動作で正確に行いましょう。
3.猫のポーズ
猫のポーズでは、肩や腰回りの筋肉をほぐせます。
腰回りの筋肉が固まっていると体幹が弱くなるため、パフォーマンス低下に繋がります。
体幹は、筋肉同士を連動させるために重要な役割を担っているため、猫のポーズで腰回りの筋肉をほぐして体幹を正常に動作させましょう。
やり方は次のとおりです。
- 四つん這いになる
- 手を肩幅に開く
- 膝を股関節の下にもってくる
- 息を吸いながら背中を反らす
- 息を吐きながら反らした背中を元に戻す
- 4〜5を10回繰り返す
猫のポーズは地味な動作ですが、体幹の機能を正常にしてパフォーマンス向上につなげるうえで大切な動的ストレッチです。
ただし、腰が弱かったり痛めたりしている人にはおすすめしません。
猫のポーズは背中を反らして戻すを繰り返すため、腰に負担が入ります。
腰が弱い人が猫のポーズを行うと背中を痛めるでしょう。
実際、筆者はヘルニアを患っているときに猫のポーズを行いましたが、腰の痛みが増しました。
肩や腰回りの筋肉をほぐすうえで猫のポーズは効果的ですが、健康な人のみ取り入れましょう。
4.オルタネイトリバースランジリーチ
オルタネイトリバースランジリーチは、股関節や脇腹をストレッチできるため、下半身やお腹の筋トレ前に取り入れたい動的ストレッチです。
また、膝を曲げる動作も含まれるため、柔軟性の確保と同時に下半身の筋トレにもなります。
やり方は次のとおりです。
- 肩幅に立つ
- 両手を頭の上で組む
- 腰を右に反らしながら、右足を大きく前に出す
- 2の体勢に戻る
- 腰を左に反らしながら、左足を大きく前に出す
- 2の体勢に戻る
- 3〜6を5回ずつ行う
- 終了
ポイントは「足を出す際に息を吐いて、戻す際に息を吸うこと」です。
太ももの筋肉にも負荷が入るため、力んで息を止めないように注意しましょう。
5.ダウンドッグ
ダウンドッグは肩周りや腰付近、ふくらはぎの柔軟性を高められるため、背中や下半身の筋トレ前に取り入れたい動的ストレッチです。
やり方は次のとおりです。
- 腕立ての体勢を取る
- 股が90度になるまでお尻を持ち上げる
- 片足の踵を床につけた状態で、反対の足の踵を浮かせる
- 4を1秒〜2秒間隔で20回行う
- 終了
ポイントは、姿勢を保つことです。
正しい姿勢で行えば背中や足がストレッチされるため、柔軟性を高められます。
姿勢が悪くなると体のバランスが崩れて肩にかかる負担が強まるため、注意しましょう。
6.マエケン体操
マエケン体操とは、アメリカの大リーグで活躍している野球選手、前田健太投手が積極的に取り入れている動的ストレッチです。
肩の柔軟性の向上に優れているため、胸や肩、背中の筋トレ前に取り入れましょう。
やり方は次のとおりです。
- 足を肩幅に広げる
- 上体を15度ほど前傾させる
- 肘を90度に曲げる
- 体の中心に腕を持ってくるように肩を回す
- 左右10回行う
- 終了
ポイントは、「肩から大きく腕を回すこと」です。
肩の柔軟性がより高まり可動域が広がるため、深い腕立てを行なっても関節を痛めにくくなります。
ただしマエケン体操は、肩をターゲットにした他の動的ストレッチと比べて強度が高いです。
そのため、マエケン体操を行う前に腕まわしのようなストレッチで準備運動しておきましょう。
7.リバースランジレント
リバースランジレントは、股関節をターゲットとした動的ストレッチです。
下半身を鍛える前に取り入れましょう。
やり方は次のとおりです。
- 足を肩幅に開く
- 両手を頭の後ろで組む
- 片足を一歩後ろに引く
- 引いたほうの膝を軽く曲げる
- 引いたほうの膝を、床スレスレの位置にくるまで腰を落とす
- 3〜6を逆の足で行う
- 左右10回ずつ行う
- 終了
ポイントは、「無理のない範囲でゆっくり行うこと」です。
リバースランジレントは、スクワットと似たような動作で行うストレッチのため、太ももの筋肉や膝に負担がかかります。
股関節の柔軟性を確保できる一方で、膝を痛めるリスクもあるのです。
そのため、膝に少しでも痛みを感じる場合は動作を中止しましょう。
リバースランジレントは無理のない範囲で行うのが大切です。
8.ショルダープレス
ショルダープレスは、手を上げ下げすることにより、肩周りの血流促進や柔軟性を確保できる動的ストレッチです。
筋トレの種目である「ショルダープレス」と同じ動作を行います。
やり方は次のとおりです。
- 背筋を伸ばして椅子に座る
- 力が入らないほどに握り拳を作る
- 肘を外に開けながら拳を耳の横に持ってくる
- 肘が肩と水平になるまで腕を上げる
- 肘が10度ほど開くまで腕を上げる
- 肘が肩と水平になるまで腕を下す
- 4〜6を10回繰り返す
ポイントは、「姿勢のキープ」と「肘を内側に入れない」ことです。
これらのポイントを意識しなければ、姿勢が悪くなり肩と首の間にある「僧帽筋」がストレッチされます。
本来の目的とは外れてしまうため、肩周りに効かせるためには、姿勢をキープしつつ肘を内側に入れない意識が大切です。
筋トレ前のストレッチの注意点
筋トレ前には動的ストレッチを行うのが大切と紹介しました。
しかし、動的ストレッチは静的ストレッチに比べて負荷の高い運動です。
いきなり反動をつけて動的ストレッチを行うと怪我につながる恐れがあるため、はじめは姿勢を意識しつつゆっくり行いましょう。
動的ストレッチの負荷に体が慣れてくれば、強度を上げていってもいいでしょう。
筋トレ前には動的ストレッチがおすすめ
ストレッチには、「動的ストレッチ」と「静的ストレッチ」があることは紹介しました。
筋トレ前には動的ストレッチを行い、筋トレ後には静的ストレッチを取り入れましょう。
正しい動作やタイミングで行えば、怪我の防止や筋トレのパフォーマンス向上につながります。
とはいえ、動的ストレッチにはさまざまな種類があります。
鍛えない部位の動的ストレッチを行なっても恩恵は少ないため、その日の筋トレメニューに応じて動的ストレッチを取り入れるのがおすすめです。
ただし、動的ストレッチは強度が高いため、はじめは効かせることを意識しつつゆっくりとした動作で行いましょう。
ぜひ本記事で紹介した動的ストレッチを筋トレ前に取り入れてみてください。
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