2023.02.14
「毎日夢を見る、疲れる」原因は?夢ばかり見て寝た気がしない方へ
「毎日夢を見る、疲れる」「夢ばかり見て寝た気がしない」と睡眠で悩んでいる人もいると思います。「毎日夢を見る理由や直し方」また、睡眠で一番大切な「黄金の90分の法則」について紹介します。睡眠を味方につけて最高のパフォーマンスを出しましょう!
そもそも夢を見るのはなぜ?
まず、毎日夢を見る原因や直し方、黄金の90分の法則を解説する前に、「なぜ夢を見るのか?」について解説していきます。
「毎日夢を見る、疲れる」そう思っている方は多いですね。
なぜ夢を見るのか?
夢を見ることは良い事なのか?悪い事なのか?
そんな疑問が湧いてきますが、結論は「詳しくわかっていない」のです。
現在の科学は格段に進歩していますが、まだ「夢の正体」はわかっていません。
ただ、夢の正体についての研究や議論が活発にされていますので、現段階での有力な仮説を紹介しましょう。
記憶の整理
現段階の有力な説は「記憶の整理」です。
寝ている間、脳は休んでいると思われがちですが、実際は「脳は活性化」しています。
寝ている時の脳の状態には「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」があります。
レム睡眠とノンレム睡眠は、約90分周期で繰り返されることがわかっています。
※個人差があります。
レム睡眠とは、寝ているのに目がぴくぴく動くRapid Eye Movement(高速眼球運動)があることからREM(レム)睡眠と言われています。
脳が活発に働いており、記憶の整理や定着が行われている状態です。
ノンレム睡眠は、REMがないノンレムな睡眠のことです。
ノンレム睡眠では、大脳が休息していると考えられており、脳や肉体の疲労を回復している状態です。
夢は、主に「レム睡眠」の状態の時に見ると言われていますが、最新の研究では「ノンレム睡眠の時にも夢を見る」ことがわかっています。
つまり、寝ている限り「常に夢を見ている」のです。
脳は、日中見たり書いたりした大事な情報と、不要で忘れ去っていく情報を分けています。
記憶の整理の過程で、その情報がランダムにつなぎ合わさっているのが夢です。
毎日夢を見るのはなぜ?
「毎日夢を見る、疲れる」と思っている方は、夢ばかり見て寝た気がしないと思っているでしょう。
夢を見るのは、寝ている間に「記憶の整理をしているからだ」ということは、先ほども説明しました。
記憶の整理をしているとしても、「毎日夢を見る人」と「たまにしか夢を見ない人」がいます。
では、毎日夢を見るのはなぜなのでしょうか?
ストレス?病気?それともうつなのか?
夢はまだ完全に解明されたわけではありませんが、今考えられている原因について、よくある疑問に答える形で説明します。
毎日夢を見るのはストレスが原因?
毎日夢を見るのは「ストレス」が原因なのか?と考えてしまいます。
結論は、「毎日夢を見るのは自然なこと」なのです。
実は、人は一日に7〜8回ほど夢を見ています。
眠りには、レム睡眠とノンレム睡眠がありますが、レム睡眠とノンレム睡眠が切り替わるごとに、夢の内容も切り替わっているのです。
夢を見た回数が多いほど、レム睡眠とノンレム睡眠のサイクルがきちんと回せていることになります。
つまり、一晩にたくさんの夢を体験するのが、「自然な眠り」ということになります。
ただ、だいたい最後の夢を覚えていて、それまでに見た夢を覚えていないのが大半なのです。
夢を見たこと自体覚えていないということもありますよね。
毎日夢を見ることは自然ですが、悪夢を毎日見ているという人は注意が必要です。
悪夢によって、気分の障害や不安、疲労感で仕事への支障がでる場合もあります。
夢ばかり見るのは病気が原因?
眠りが浅い、夢ばかり見るのは病気の可能性があると聞いたことがありますが、病気が原因なのでしょうか?
夢は誰もが毎日見ていると説明しましたが、「毎日夢を見る、疲れる」といったように、疲労などが伴っている場合、病気の可能性はあります。
具体的には、「睡眠時無呼吸症候群」「むずむず脚症候群」「うつ病」などの病気が潜んでいる可能性があります。
- 睡眠中に大きないびきをしている
- 睡眠中に無呼吸になっている
- 日中に強い眠気がある
- 起きた時の疲労感
などの症状があるときは、医師に相談してみることをおすすめします。
毎日夢を見るのはうつが原因?
毎日夢を見るのはうつ病が原因?と考える方がいます。
- 抑うつ状態になる
- 夜中に何度も目が覚めてしまう
- 夢を見やすくなる
といった症状がでると、うつ病の予兆や可能性があります。
うつ病になると、ノンレム睡眠に切り替わりにくくレム睡眠が増加する傾向があります。
つまり、深い眠りにつかずに浅い眠りばかりになってしまうので、疲労も回復しにくく、中途覚醒も起こりやすくなります。
実際、うつ病になってから毎日夢を見るようになったという声も聞きます。
私自身うつ病を患っていますが、うつ病になってからは「夢を見ない日がない」と思うぐらい夢が増えた経験があります。
毎日夢を見る人の直し方
毎日夢を見る直し方を知りたいと思っている方もたくさんいるでしょう。
「夢ばかり見て寝た気がしない」
「夢は疲れるから見たくない」
と夢を見ない日がないと悩んでいる方は「睡眠障害」に陥っている可能性があります。
「毎日夢を見る、疲れる」と感じている方は、睡眠中に疲労を回復できていない証拠です。
睡眠の質を高めることが大切です。
毎日夢を見る人へ直し方を2つご紹介しますので、睡眠の質を高めていきましょう!
規則正しい生活をする
毎日夢を見る人の直し方1つ目は「規則正しい生活」をすることです。
「そんなの当たり前じゃん」と思う方もいらっしゃると思いますが、意外とできていない人が多いのです。
規則正しい生活をして体内時計を整えることで、ホルモンの分泌などの活動が活発になります。
寝るときと起きるときの時間が一定でないと体内時計が乱れます。
そうなると質の高い睡眠を取るのが難しくなります。
では、体内時計を整えることに必要な習慣を紹介します。
- 朝、昼、晩きちんと食事を取る
- 運動を習慣にする
- 朝起きて日光を浴びる
- 平日と休日の就寝、起床時間を一緒にする
ぐっすりと眠るには、適度に運動し、適度に疲労感を得ることが大切です。
また、栄養バランスが取れた食事を心がけることも大切です。
もう体内時計が乱れているという方は、「日光を浴びる」ことをしてみましょう!
日光を浴びると体内時計がリセットされると言われています。
さらに、日の光を浴びてから15〜16時間後に眠気が来ることがわかっていますので、ぐっすり眠るための方法として試してみて下さい。
リラックスをする
毎日夢を見る人の直し方2つ目は「リラックスをして眠る」ことです。
質の高い睡眠を取るためには、寝る前の行動が非常に大切です。
夜寝る前にネガティブなことを考えず、「リラックスした状態」で眠ることが睡眠の質を高めます。
私たち人間が仕事をしている時などの日中は、「交感神経が優位な状態」です。
そして、夜にかけて体を休めるモードの「副交感神経が優位な状態」に切り替わります。
夜ぐっすり眠るには、この「副交感神経が優位な状態を妨げない」ことが大切です。
つまり、脳や体を休めようとしている時に、ネガティブなことを考えないということです。
「明日にはあのタスク終わらせないと」
「クライアントへの提出期限が迫っている」など
寝る前に不安や緊張状態になるようなことはしないようにしましょう!
リラックスをする方法として
- ノンカフェインの温かいものを飲む
- ぬるま湯での入浴
- 読書をする
- アロマを焚く
といったことを試してみて下さい。
反対に、寝る前のスマホ、パソコンなどは寝つきを悪くさせるのでやめましょう!
今から寝ようと思った時に、脳を興奮・覚醒させるようなことをしてしまうと、ぐっすり睡眠を取ることができなくなります。
「寝る前にベッドでスマホをいじっていませんか?」
ついついやってしまう行動ですが、睡眠の質を高めるために、今日から寝る前のスマホをやめましょう!
黄金の90分の法則
毎日夢を見る人の直し方を解説しましたが、もっと睡眠の質を高める方法があります。
人間は一生の3分の1は寝ています。
そして、その3分の1が残りの3分の2を決めるのです。
つまり、「睡眠を制する者は人生を制する」といっても過言ではないでしょう。
ここでは、世界最高峰の睡眠研究所「スタンダード大学」で解明された黄金の90分の法則について解説します。
黄金の90分を味方につけることができると、仕事で最高のパフォーマンスを出すことができます。
黄金の90分の法則とは
世界1の睡眠研究機関であるスタンダード大学で解明された「黄金の90分の法則」とはどんなものでしょうか?
結論としては、「睡眠の質は、眠り始めの90分で決まる」というものです。
これは、レム睡眠・ノンレム睡眠の周期に限りません。
眠り始めの90分さえ質が高ければ、残りの睡眠も比例して質が高くなることが、最新の研究でわかったのです。
では、黄金の90分の法則について詳しく解説していきたいと思います。
少量のお酒は深い睡眠になる
飲酒は睡眠に良くないという印象はありませんか?
確かに大量のお酒を飲むのは睡眠には悪い影響を与えます。
ただ、「少量のお酒」は深い睡眠をもたらしてくれます。
睡眠の質は眠り始めの90分が大事ですから、少量のお酒を飲んでそのまま眠ることで深い睡眠に入ることができるのです。
例えば、ウォッカなどは度数が40度です。
ワインはおよそ14度、ビールは5度程度です。
例えば、ビールなどのアルコール度数が低いお酒を長時間飲むより、ウォッカなどの度数が高いお酒を一口飲んですぐ寝た方が、深い眠りにつけます。
だらだらとお酒を飲まないことが大切です。
初めの90分が大事
最高の睡眠を取るためには、眠り始めの90分が大切と話しました。
その理由は睡眠の周期が関係しています。
睡眠中、レム睡眠とノンレム睡眠がある程度規則的に切り替わります。
6〜7時間眠る場合、その周期を4回ほど繰り返します。
健康な人の場合、目を閉じてから10分未満で入眠し、比較的短時間で一番深いノンレム睡眠にたどり着きます。
この入眠してから第一周期目のノンレム睡眠が大事なのです。
長く起きていると眠りたい欲求である「睡眠圧」が蓄積し、眠ると睡眠圧が放出されます。
睡眠圧の放出が第一周期の時、もっとも強くなるのです。
つまり、何時間寝ようが、最初の90分が崩れれば、残りも総崩れになってしまうという事です。
通常は「6時間寝ている人」と「8時間寝ている人」では8時間寝ている人の方がぐっすり寝ているように思います。
しかし、6時間寝ている人の方が良質な睡眠をとれていることだってあるのです。
90分周期は嘘?
睡眠時間は「90分単位」がいいと聞いたことはありませんか?
これはスリープサイクル(睡眠周期)が根拠とされています。
睡眠は、入眠してからのノンレム睡眠とレム睡眠が繰り返されています。
これが4〜5回繰り返され、眠りが浅くなるレム睡眠の時に起きることが良いという話です。
ただ、スリープサイクルにはかなり個人差があるとされています。
実際の周期は、90分〜120分と30分も差があります。
巷で言われているように「90分の倍数の時間眠る」ということは、それほど気にしなくていいのです。
ただ、共通しているのは、入眠してから第一周期目の深いノンレム睡眠が約90分で出現することです。
入眠時から90分の睡眠を確保できれば、深いノンレム睡眠が十分とれる。
これが黄金の90分の法則なのです。
どうしても資料を作らないといけない
黄金の90分を手に入れるには、「規則正しい生活」をすることが大切です。
でも、忙しいビジネスマンにとって規則正しい生活をすることは無理があります。
「今夜中の0時、明日の資料作らなければ」
そんな時もあるでしょう。
でも、徹夜で仕事をするのは、できるだけ避けてほしいと思います。
どうしても夜中にしなければならない場合のおすすめ方法は「90分間寝る」ことです。
眠気があるなら寝てしまって、「黄金の90分」が終了した初めのレム睡眠のタイミングに起きるのです。
逆に、明け方まで仕事をした場合、出社まで3時間寝ようと思っていても、目が冴えてなかなか眠れません。
集中していた脳は興奮しているので、黄金の90分の法則は訪れないのです。
人間は、朝が近づくにつれ、体は起きる準備を始めます。
明け方に深い眠りを取ることは、地球に逆らうやり方なのです。
睡眠については、間違った情報が飛び交っています。
「黄金の90分の法則」は最新の科学でわかったことです。
「スタンフォード式 最高の睡眠」
は、スタンフォード大学の医学部教授である西野精治氏が書いた書籍です。
今回ご紹介した「黄金の90分の法則」も、この書籍を参考に書かせていただきました。
この本では、最新の研究を通して「従来の間違った情報」を正してくれます。
さらに、忙しいビジネスマンにとってありがたい、「量より質」な睡眠のとり方について教えてくれています。
今よりもっとパフォーマンスを出したいビジネスマンの方にとって最適な一冊です。
一度手に取って読んでみることをおすすめします。
毎日夢を見る、疲れると思っている方へ
「毎日夢を見る、疲れる」
「夢ばかり見て寝た気がしない」
そう睡眠で悩んでいる方は、心配や不安でたまりませんよね。
でも、ネガティブな感情ばかり抱いていると、余計にいい睡眠を取ることができなくなります。
悪夢ばかり見る人は、仕事でストレスや不安に駆られている人に多い傾向があります。
寝る前に不安な感情を取り除き、黄金の90分を手に入れることで、気分や体調、自律神経が整うことができるのです。
「最強のビジネスマン」になるために、睡眠を味方につけ「最高のパフォーマンス」を出しましょう!
大阪生まれ。20代後半。ハウスメーカーで働くもうつ病を発症。その後、発達障害(自閉症スペクトラム障害)が発覚。休養中に沢山の本を読んで培った知識で、人の役に立つ情報を発信していきます。3児の父で、将棋とサッカーが得意。