2023.02.16
30代で貯金400万円は多い?平均値と中央値の違いを知ろう
貯金400万円が多いのか少ないのか、年代別の平均値と中央値を解説します。また、実際のところ貯金が400万あれば何年暮らせるかや、貯金を増やすコツについても記載するのでチェックしてみてください。
目次
30代で貯金400万は多い?少ない?平均値と中央値を解説
今現在、30代で貯金が400万円あるとします。
自身の貯金額を見たときに、「貯金が400万しかないから将来が不安」と思いますか?
それとも、「400万も貯金があるからとりあえず安心」と感じていますか?
「30代で貯金が400万円」という数字が多いか少ないのか気になる時は、同世代と比較してみると参考になります。
まずは本項では、以下の内容について解説。
- 平均値と中央値の違いが重要
- 30代の貯金の平均値
- 30代の貯金の平均値
自身の貯金額が多いのか少ないのか、平均値と中央値の両方の観点から比較してみましょう。
ただし、重要なポイントとして、「貯金が同世代の平均や中央値と比べて多いから安心」ということは無い点には注意が必要です。
例えば、今現在貯金額が100万円でも月の生活費が5万程度で収まり年間数十万円ずつ貯蓄できる人と、貯金額が400万あっても毎月の支出が赤字になる人ではどちらが健全と言えるでしょうか?
貯蓄額が多いか少ないかを見るときには、金額そのものだけでなくトータルでの収支やライフスタイルを総合的に考える必要があります。
平均値と中央値の違いが重要
年収や貯金額だけでなく、数字を比較して見る際には「平均値」と「中央値」が重要なポイントになります。
平均値と中央値の違いは以下の通りです。
- 平均値:データの数値の合計を、データの個数で割った数
- 中央値:データを上から順番に並べた時、ちょうど真ん中にくる数
具体的に、数値で並べると分かりやすくなります。
A~Eまでの5人の貯蓄額を、平均値と中央値で計算すると下記のような違いが出ます。
項目 | 貯蓄額 |
---|---|
A | 1億円 |
B | 100万円 |
C | 60万円 |
D | 55万円 |
E | 50万円 |
平均値 | 2,053億円 |
中央値 | 60万円 |
A以外の5人の貯金額は近い数字ですが、極端な一人の数値が平均値を押し上げてしまっています。
「5人の平均的な貯金額は2,000万円」と言われても、「2,000万円を超えている人は1人しかおらず、他はそれよりも遥かに低い数字なのに?」と疑問に思いませんか?
上記のように、貯蓄額の実際の一般的な金額を知るには、ボリュームの多いゾーンの金額を把握することも重要です。
平均値が信ぴょう性の無い数字というわけでは無く、平均値と中央値の両方を知ることが大切なのです。
30代の貯金の平均値
それでは、まずは30代の平均的な貯蓄金額を見てみましょう。
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(令和4年)」によると、株式や投資信託なども含めた単身世帯と二人以上の世帯の平均貯蓄額は以下の通りです。
- 単身世帯:494万円
- 二人以上:526万円
金融資産額 | 単身 | 二人以上 |
---|---|---|
100万円未満 | 18.5% | 13.4% |
100万~200万円未満 | 8.6% | 10.3% |
200万~300万円未満 | 5.6% | 6.9% |
300万~400万円未満 | 5.2% | 6.3% |
400万~500万円未満 | 2.5% | 3.5% |
500万~700万円未満 | 7.1% | 9.4% |
700万~1,000万円未満 | 3.7% | 7.3% |
1,000万~1,500万円未満 | 4.6% | 6.6% |
1,500万~2,000万円未満 | 3.7% | 3.5% |
2,000万~3,000万円未満 | 2.5% | 3.9% |
3,000万円以上 | 2.8% | 2.2% |
無回答 | 2.8% | 2.6% |
平均値 | 494万円 | 526万円 |
自身の預貯金額と比べてみるといかがでしょうか?
単身世帯と二人以上の世帯で少し開きがあるのが見て取れるはずです。
では続いて、次項では中央値を見てみましょう。
30代の貯金の中央値
30代の預貯金の中央値は下記の通りです。
- 単身世帯:75万円
- 二人以上:200万円
金融資産額 | 単身 | 二人以上 |
---|---|---|
100万円未満 | 18.5% | 13.4% |
100万~200万円未満 | 8.6% | 10.3% |
200万~300万円未満 | 5.6% | 6.9% |
300万~400万円未満 | 5.2% | 6.3% |
400万~500万円未満 | 2.5% | 3.5% |
500万~700万円未満 | 7.1% | 9.4% |
700万~1,000万円未満 | 3.7% | 7.3% |
1,000万~1,500万円未満 | 4.6% | 6.6% |
1,500万~2,000万円未満 | 3.7% | 3.5% |
2,000万~3,000万円未満 | 2.5% | 3.9% |
3,000万円以上 | 2.8% | 2.2% |
無回答 | 2.8% | 2.6% |
中央値 | 75万円 | 200万円 |
見ての通り、平均値とは大きくかけ離れた数値が出てきました。
実際のボリュームゾーンがこの辺りということなので、「自分は中央値に近い貯蓄額だ」という人は、一般的な金額を貯金できているということです。
実際には平均額を押し上げるほどの高額の貯蓄額の人もいるので、数値の良し悪しは別にしても、参考値として留意しておくとよいでしょう。
年代別に見る貯蓄の平均値と中央値
続いて、年代別の貯蓄の平均値と中央値は下記の通りです。
単身 | 二人以上 | |||
---|---|---|---|---|
平均値 | 中央値 | 平均値 | 中央値 | |
20代 | 176万円 | 20万円 | 214万円 | 44万円 |
30代 | 494万円 | 75万円 | 825万円 | 250万円 |
40代 | 657万円 | 53万円 | 825万円 | 250万円 |
50代 | 1,048万円 | 53万円 | 1,253万円 | 350万円 |
60代 | 1,388円 | 300万円 | 1,819万円 | 700万円 |
70代 | 1,433万円 | 485万円 | 1,905万円 | 800万円 |
各年代で見ても、中央値と平均値には大きな乖離があります。
その傾向は年代が上がっていくほどに顕著になり、60歳代以上になると、平均値と中央値の差額は1000万円を超えています。
早い段階で貯蓄を進めていけるよう、後述する貯蓄を増やすコツを試してみてください。
貯金が400万円を超えたら安心?何年暮らせるかを解説
実際のところ、貯蓄400万あると何年暮らせるのでしょうか?
総務省の家計調査によると、総世帯の消費支出の平均金額は24万前後です。
単身世帯なら15万円、二人以上の世帯なら28万円前後となっています。
単純に貯蓄400万で28万円の支出が毎月あるとすると、1年2ヶ月程度で貯蓄の底が尽きるということです。
こうして考えると、貯蓄が例え1000万円あったとしても、収入が無ければ2年程度しか持たないことがわかります。
「貯蓄がいくらあれば安心なのか」は、支出を減らすことと、収入を増やすことの両面が重要なのです。
30代で貯金400万円を貯めるコツ
400万円の貯金を貯めるには以下のようなポイントを意識するのがコツです。
- 支出を抑える
- 固定費を見直す
- 先取貯金をする
- 資産運用をする
- 副業をする
支出を抑え、副業や資産運用でお金を増やすというのが基本的な方法になります。
それぞれのコツについても簡単に解説するので、取り組めそうなところから試してみてください。
支出を抑える
まずは無駄な出費を抑えることが重要です。
毎月の家計簿をつけて費用を管理するだけでも、無駄な出費や想定外に使い過ぎた項目が見えてくるのでオススメ。
コンビニ行く度に無駄な買い物をしていたり、ATM利用の手数料やクレジットカードの分割手数料などを払っていたりと、払わなくてもいいお金を払っていませんか?
1件あたりは大した金額でなくても、1ヶ月まとめて見てみるとそれなりの金額になっている場合があります。
あまり神経質になり過ぎる必要はありませんが、出費を抑えれば使える金額が増えるので試してみましょう。
固定費を見直す
毎月の支出の中でも、必ずかかる固定費を見直すことが重要です。
例えば以下のような金額を毎月いくら払っているか把握していますか?
- スマホやネット回線の通信費
- ガス・電気などの光熱費
- Netflixのようなサブスクの月額
- スポーツジムの会費
家賃や車のローンなど、簡単には変更できないものもありますが、上記のような項目は比較的簡単に変更可能です。
スマホは格安SIMにすれば月額料金を大きく節約可能で、電気は電力自由化で自身で選択できるようになっています。
動画配信サービスやジムの月額料金を、利用していないのに解約が面倒で払い続けている人も珍しくはありません。
固定費は年間で考えるとかなりの金額になるので、見直すことで支出を大きく減らすことに繋げられます。
毎月の固定費がいくらかかっているかを記録して、チェックしてみてください。
先取貯金をする
貯金をする際は、毎月先に貯金額を預金口座に移す「先取貯金」がオススメです。
毎月お金が余った分を貯金するというやり方では、なかなか貯蓄額が増えていきません。
給料が振り込まれたら、まずは貯蓄分を別の口座に移動させるのがポイント。
すぐに貯金を下ろせない定期預金や、給料から直接天引きする「財形貯蓄」などもあるので利用してみましょう。
もちろん、貯蓄によって家計を圧迫し、生活が立ち行かないというのは本末転倒です。
ある程度は無理やり貯蓄に回すという姿勢は必要ですが、無理の無い範囲で行うようにしてみてください。
資産運用をする
貯蓄は現金の貯蓄も重要ですが、将来に向けた資産形成も重要なポイントです。
「資産運用」や「投資」と聞くと怪しいイメージや、大損して多額の負債を負うというようなイメージを持つ方もいるかもしれません。
しかし、それはあくまでハイリスクハイリターンな商品を選んだり、よく分からないまま投資に手を出すためです。
「つみたてNISA」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」といった資産運用なら、低リスクで将来に向けた資産形成が可能。
例えば「つみたてNISA」なら、年間40万円まで非課税で20年間にわたり投資ができます。
さらに、投資先はあらかじめ金融庁の一定条件を満たした投資信託なので、初心者でも取り組みやすいのがポイントとなっています。
もちろん、全くリスクが無いわけではなく、元本割れの可能性もあります。
しかし、これから資産運用で将来に向けた資産形成をしたいという人の入り口としては非常にオススメなので検討してみてください。
副業をする
収入を増やすなら、自身の勤め先だけでなく副業を考慮に入れても良いでしょう。
副業と言っても、仕事が終わった後にバイトをするということだけではありません。
例えば、会社員でも比較的始めやすい副業は以下のようなものがあります。
- ポイ活:ポイ活サイトに登録してコツコツポイントを貯めて現金化
- アフィリエイト:ブログやSNSで情報発信して広告収入を得ること
- 動画配信:YouTubeやTikTokなどで動画配信して広告収入を得る
- ライブ配信:17LIVEなどのライブ配信サイトで投げ銭を得る
- クラウドソーシング:クラウドワークスなどに登録して仕事を受注する
いずれも初期費用がほとんどかからず、スマホやPCがあれば取り組みやすいものです。
得た収入は貯蓄や資産運用に回すと、本業の収入にも余裕ができます。スキマ時間を活用したいと考えている人にはオススメです。
なお、年間20万以上稼いだ場合は確定申告をして税金を納めなくてはならないので注意してください。
住民税の徴収欄で「普通徴収」を選択すれば本業の勤め先にはバレません。
効率よく貯蓄してライフイベントに備えよう
この記事では、貯蓄400万円が多いのかを軸として、30代の貯蓄の平均値と中央値を解説しました。
一般的に平均値と中央値には乖離が発生し、どちらの値を参考にすればいいかは一概には断言できません。
しかし、中央値は人数の多いボリュームゾーンになるので、一旦は中央値に近い金額であれば一般的な貯蓄額だと認識しておくのがよいでしょう。
また、自身の貯蓄額が多いか少ないかは、出費と支出のバランスやライフスタイルによっても大きくことなります。
今後多くのライフイベントを控えているような場合は、貯蓄が多いに越したことは無いので、まず支出を削減する取り組みを行ってみてはいかがでしょうか。
資産運用や副業によって自身の収入を増やす取り組みを同時に行うことで、効率よく貯金を増やしていくことが可能です。
まずは本記事の内容を参考に、自身の貯金額が同世代のどのあたりに位置しているかをチェックしてみてください。
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